「自己評価」
自分で自分を評価することを指しますが、そんな時、皆さんはどんな基準で評価しているでしょうか。
Jリーガーである僕は、市場価値を測る上では、自己評価はあまり必要とされません。
あくまで他人からの評価で、それは決まります。
であれば、自己評価はしなくてよいのか。そんなことはないと思っています。
今回は自分で自分を振り返り、評価する時に意識しているポイントを少しお話してみようと思います。
相対評価と絶対評価
相対評価とは、いわゆる「他人と比べて」自分はどうか、という考え方になります。
評価対象が10人いるとするならば、その中で自分は何番目か、というニュアンスでしょうか。
反対に、絶対評価とは、自分の中で上手くいったか否か、を決める方法です。
他人と比べる必要はありません。
先程挙げた10人の中の例でいくと、相対評価の上では1位は1人、10位も1人、いるわけです。
これが絶対評価の上では、それぞれが「自分は満点だ」と思えば、全員が1位になり得るということになります。
両軸を持つべき3つの理由
他人からの評価であれば、その組織によって基準が定められてしまいますから、争うことは難しいですが、自己評価においては、相対評価と絶対評価の両軸を持つべきだと考えています。
その理由を3つ、お話します。
理由① 競争意識は大切
こういった話をすると、相対評価が悪で、絶対評価を善とする印象が強くなりがちですが、相対評価にはそれなりの価値があります。
それは、他人との競争意識を植え付けることで、反骨心を掻き立て、人を成長させる効果があるからです。
サッカー界は、常に競争です。
敵とも、味方とも、生き残りをかけた分かりやすい競争が毎日繰り広げられます。
相対評価の感覚なくしては、この世界にいることは難しいです…
アスリートに限らず、相対評価が人を焚き付ける側面はあると考えています。
理由② メンタルの安定
相対評価のデメリットは、どれだけ自分が努力しようとも相手がそれを上回れば報われないという部分です。
そんな時、自分のモチベーションを保つために必要なのが、絶対評価の考え方です。
自分なりに成長できたか、昨日の自分を超えられたか、そういった視点で結果を見ることで、次への意欲を高く保ち続けることが出来ます。
特に、数字やデータなどの結果が如実に現れる物事においては、それらには現れないプロセスを評価することも非常に大切な作業です。
自分で自分を称え、活力に変えていくことで、メンタルの安定を図っていく必要があります。
理由③ 自己分析力&考える力
2つの評価軸を自分で使い分けるためには、その特徴を知り、自分自身を深く知る必要があります。
「絶対評価ではこうだけど、相対評価だとこうだな」というような、自己分析力が身に付いてきます。
自分に自信があるときは相対評価で更なる向上心を掻き立て、上手くいかないときには絶対評価で自分を支える、といったような使い分けも可能になるわけです。
評価軸を自分の頭で理解することは、自己分析力や考える力を養う良いトレーニングになると思います。
まとめ
評価の方法や基準が色々とある中で、自分なりに理解して使い分けることで得られるメリットについてお話させていただきました。
これはあくまで個人的な感覚であり、万人に当てはまるとは限りませんが、少しでも「評価」に対して苦手意識を持っている人のお役に立てればと思います。
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