努力することは素晴らしい。真摯に、真剣に取り組むことも素晴らしい。ただ、報酬という評価に関しては、結果が全てだ。
印象などの精神的な部分ではある程度評価され、認めてもらえることもある。でも、プロスポーツの世界における選手としての価値、受け取る報酬は結果が全てだ。
一般の企業に就職した友人と話していると時々、残業代の話になることがある。当然、時間を労働に費やし報酬として受け取るのだから大変なことだとは思うが、僕は体験したことのないシステムであるとも思った。なぜなら僕らには残業代はないからだ。
練習後にどんなに自主練習で技術を磨こうが、夜にジムに通い筋トレをしようが、それが報酬に直結することはない。その努力が、「試合に出て勝つ」という結果に結びついて初めて報酬となる。
逆を言えば、人の何倍練習しようが、吐くまで走り込もうが試合に出て勝たなければ報酬は得られない。つくづく結果が全ての世界だなと思う。
極端な話、この世界では真面目に練習に取り組むメンバー外選手より、素行の悪い点取り屋の方が価値があると言える。
もちろん、法を犯すレベルの素行の悪さは話にならないが、一定程度であれば、身勝手な選手でも1試合に2点取ってくれるのであればクラブは高い報酬を与えるだろう。
プロ入り当初はなかなか受け入れ難いこの現実に大きなショックを受けたが、この世界に足を踏み入れた以上は結果を残すしかないと次第に思えるようになった。
実力の世界だ。
僕自身はこの仕事についてこう捉えている。僕らは時間を報酬に変えているのではなく、時間を未来の自分へ投資しているのだ、と。そのリターンとして結果が現れ、僕らの報酬になる。
投資というのは、リスクとリターンが表裏一体である。結果を残せず、費やした時間がリスクになる場合もあれば、大活躍して高い報酬を得ることもある。
いかに時間と労力を自分に投資できるか。そしていかにその投資を結果に結びつけるか。これに尽きると思う。時間のかけ方や努力の方向性は人それぞれだし、正解はないが、そこには競争が存在する。
仲の良いチームメイトは契約を争うライバルでもある。自分がチームの力になれなければ、代わりの選手を補強される。僕自身は、チームが自分と同じポジションを補強した時には、自分自身には物足りなさを感じていると捉えている。それも受け入れて、またその選手と競争をしなければならない。
より良い契約を勝ち取るため、一年一年が勝負なのだ。自分を信じて自分に投資をし、自分で結果を残すしかない。
周りの人から沢山サポートも受けるだろう。でも、最後は自分だ。ゴールネットを揺らす。ゴールを死守する。試合に勝つ。これらは自分で掴み取らなければならない。
少しでも長く、大好きなサッカーを職業としていられるように結果を出したい。そのためにも自分自身の結果と向き合い、一歩ずつ前進していこうと思う。
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