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「競争」と「共存」の両立に必要なもの

伝えたいこと

Jリーグにおいては、試合に出られるのは11人ベンチ入りメンバーを含めても18人全体の選手数はチームによって異なるものの、30人前後くらいが平均的ではないだろうか。

つまり、チームとして試合を戦う前に、チームメイトと限られた席を争わなければならないメンバーに入るために、試合に出るために、隣にいる仲間と競争しなければならない。

この競争が激しければ激しいほど、チームの総力は増すだろうし、強いチームには欠かせない要素の一つだ。選手自身もこのことをよく理解しているが、実際にその環境に身を置いて過ごすことは、精神的にも楽なものではないのも事実である。

ひとたび試合になれば、日々のトレーニングで凌ぎを削るチームメイトとイメージを共有し、共存しなければならない。そして試合が終わればまた、仲間からライバルへと変わる。

一年間、これを毎週続けるのである。

この「競争」と「共存」の両立は口で言うのは簡単だが、これを上手に成立させるのはとても難しい。サッカー選手である以上、誰しもがピッチに立ちたい。しかし、そうはいかない。

出られない選手が不満を抱え、チームに負の影響を与えてしまうことだって、しばしば起こり得る。そうならないために、競争と共存の両立のために、必要なことについて僕の考えを話そうと思う。

結論から言うと、最も必要なことは 「強固な信頼関係」だと思っている。これも口にすることは簡単だが、実際にそんな関係性を築くことはとても難しい。でもチームが勝つためにやらなければならない。

サブの選手やメンバー外の選手が、試合に出ている選手を心の底から応援することは、本当に難しいと思う。口には出さなくとも、悔しさや不満を抱えていることは多い。これは僕もそうだし、多くの選手に当てはまると思う。

別に、このことは悪いことだとは思わないし、人間の本能として当然のことだとも感じる。勝負の世界に身を置いている以上、重要な気持ちでもある。

ただ僕自身、それでも本当に心の底から応援できる仲間がいる。ここに大切なポイントがあるような気がしている。

自分と同じポジションなのに、不満よりも応援する気持ちが強くなる相手がいるのだ。それは「自分が全力で戦って負けた相手」である。

もちろん悔しい。本当に悔しい。自分の実力不足を受け入れるのは簡単なことではない。でも、自分が100%の力で臨んで、敵わなかった仲間なら、その選手がそのレベルに至るまでに経験した苦労や努力がよく分かる

だからこそ、本当の意味で尊敬できる。

こんな時僕は、この選手を本気で応援することができる。負けを認めることで、勝てるようにまた努力しようとも思える。このプロセスが本当に重要だと感じている。

チーム内の事例ではないが、サッカーの高校選手権なんかを想像するとわかりやすい。自分のチームが負けることは悔しい。号泣するほどだ。それでも、三年間の全てを捧げて戦って負けた相手チームには、優勝してほしいと願う選手が多い。

これは全力でぶつかったからこそ生まれるリスペクトの気持ちの表れだと思う。

逆に言うと、穿った見方をしてしまうときは、自分がどこかで言い訳を作ってしまっている場合のように思える。コンディションやシステム、戦術など、自分以外の要素に矛先を向けてしまっている時は、試合に出ている選手を素直に認められない。

多分、それは与えられた環境下で自分の100%を出し切れていないときなのだろう。

確かに、自分の実力以外の部分に矛先を向けた方が気持ち的にはとても楽だ。傷付かずに済む。ピッチの外から出ている選手の批判をするのは簡単だし、一瞬自分を肯定出来たような気になる。

だが、それは違う。

僕にもそんな時期があったが、全然楽しくなかったし、幸せな気持ちにはなれなかった。たとえ試合に出られなくても、練習から全力でぶつかり、チームを応援している時の方が充実感があることに気がついた。

綺麗事のように聞こえるかもしれないが、その方が自分にとっても絶対にプラスに働く。そしてなにより、自分にチャンスが巡ってきたときに、どういうメンタリティでそれまで取り組んできたかが如実に現れる

努力や準備は嘘をつかない。

カテゴリーを問わず、長きに渡ってプロの世界で戦っている選手は、こういった反骨心と忠誠心をバランスよく兼ね備えているように思える。もっと言うと、こういう選手がチームから必要とされるが故に、生き残っていくのだとも思う。

特に自分のような飛び抜けた才能のない選手は、この世界で生き残っていく上で必要不可欠なマインドだと感じている。

これからも、時には落ち込んだり、不満に感じたりすることだってあると思う。でも、そんな時こそ矛先を自分に向けて、成長するチャンスだと捉えて前に進んでいきたい。

自分自身が納得できるサッカー人生を送るために、後悔のないように向き合っていこうと思う。

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