この時期、多くのクラブがトレーニングキャンプを行います。
コロナの影響で中止するクラブもちらほら話題になっていますが、予定通り行われるところもありますね。
今回は、トレーニングキャンプの特徴やメリットについて改めて選手の目線から考えたいと思います。
通常のトレーニングであればクラブの本拠地でも行えますし、コストもかかりません。
それでもあえてキャンプを組み込む理由があるのですから、キャンプ特有のメリットがあるハズです。
これ以外にもメリットはあるかもしれませんが、僕自身は大きく四つのポイントがあると考えています。
①本拠地に比べて快適な気候
開幕に向けて準備をするこの時期は、日本においては1番寒い季節です。
体を激しく動かすスポーツにおいては、寒さは敵です。
怪我のリスクも高まりますし、身体への負担も大きくなります。
だからこそ出来るだけ温かい地域でのトレーニングキャンプが効果を発揮するのでしょう。
キャンプ地に九州南部の地域や本州でも基本的に南部が採用されることが多いのは、この理由が大きいと思います。
特に積雪の多い地域では、そもそもこの時期にトレーニングを行うことが不可能な場合もありますし、温暖な地域でのトレーニングは選手も心地が良く、無駄なストレスを抱えずに済みます。
これだけでもキャンプを行う十分な理由になり得るのではないでしょうか。
②集中的にTRやMTを積める
泊まりがけの合宿形式にすることでチームとして活動できる時間が圧倒的に増えるので、トレーニングやミーティングの時間を確保しやすくなります。
キャンプでは午前と午後の二部練習が行われることも多く、単純なトレーニング回数という部分だけを見てもメリットがあると思います。
加えて、早朝や夕食前後の時間を使えばミーティングも行いやすいのです。
本拠地での活動であれば基本的に自宅からの通勤になるため、夜の時間にチーム全員が集まることは難しいのですが、キャンプ地の宿泊先であればそれが可能になる分、ミーティングを通してチームの方向性や戦術の浸透に時間を割けます。
シーズン初めということもあり、新監督を迎えるチームや新戦力の多いチームは特に貴重な時間になるでしょう。
③チーム全員での共同生活
この時期は、チームの新戦力が加わって日が浅いため、より多くのコミュニケーションを取ることが重要になってきます。
開幕までの短い期間でチーム内の信頼関係をいち早く構築しなければなりません。
そのためにも合宿形式のキャンプは必然的に一緒に生活する時間が長くなり、とても効果的だと思います。
当然、選手たち自身が意識的にコミュニケーションを取らなければなりませんが、複数人による相部屋であることが多いことを考えても、キャンプの環境にはとても大きなメリットがあるでしょう。
食事会場や大浴場(ある場合は)など、部屋以外の時間も一緒に過ごせるという意味で、「同じ釜の飯を食った仲」的な関係性が築きやすい環境です。
逆にいうと、近年のコロナ禍でどこまでそのメリットを享受できるのかという点には、やや不安も残りますが、それを考慮しても余りある効果が得られるだろうと思っています。
④他チームとのマッチメイク
最後のメリットは、キャンプ地には複数クラブが同エリアに集まりやすいという点です。
人気のキャンプ地はそれほど多くはなくある程度限られているため、拠点の近いクラブ同士のマッチマイクがしやすくなります。
トレーニングマッチを短期間に数多く組めるため、実戦形式でのシュミレーションが可能になります。
クラブの本拠地にもよりますが、通常であれば一つの都道府県やエリアに複数クラブが存在することは多くないことを考えれば、このポイントも大きなメリットになるでしょう。
キャンプにはメリットが多い
今回はトレーニングキャンプのメリットについて、僕が思う範囲で四つ挙げさせてもらいました。
クラブの方針や財政状況によってもキャンプの有無は変わりますが、選手としてもチームとしてもこれ以外にもメリットが沢山あります。
そしてキャンプの有無に関わらず、この時期はチームを構築していく上でとても重要な期間になることは間違いないですから、多くのコミュニケーションを意図的に、そして積極的に取り、よりよいチーム作りをしていければと思います。
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