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「若手」と「ベテラン」のギャップ

伝えたいこと

サッカーの世界に限らず、組織には基本的に若手もいれば、ベテランもいます。Jリーグの世界でもそれは同じです。

そして、しばしば考え方や価値観に違いが生まれることもあります。異なる時期に、異なる環境で育ってきているのであれば、これは別におかしな話ではないとも感じます。どちらが良い、悪いといった話でもありません。

この違いがスパイスとなって組織に良い影響をもたらすことだってあります。しかし反対に、その違いを「解り合えない」と捉えてしまえば組織はまとまりを失いかねません。

まず重要なのは意見をぶつけ合い、違いを認識することでしょう。

今回は、僕が感じたことのある「若手とベテランのギャップ」について話そうと思います。

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若手とベテランの違い

これは特に僕が若い頃に感じたことで、もっと年齢を重ねた時には、また別の感じ方をしている場合もあるでしょう。あくまで「若かりし頃の僕」が感じたことだと思って読んでいただければと思います。

自己主張の強さ

「最近の若手はおとなしすぎる」と、言っている年長者が当時結構いました。実際にそうなのかもしれません。これは悪いことなのでしょうか。もし悪いのだとしたら、大人しくなる原因は、本人にあるのか。はたまた環境のせいなのか。育ち方か。

年長者の方達が言う、「おとなしい」の定義を聞いてみたことがあるのですが、答えはこうでした。

ピッチ上で言えば、もっとワガママになっていい、と。自己主張をもっとするべきではないか、若いのだからミスを恐れずチャレンジすればいいのに、ということでした。これは、その通りかもしれません。

若手の一番の売りは、経験がないが故に怖いもの知らずで、なんでも思い切ってやれることでしょう。昔の選手の若い頃を知らないので比較は出来ませんが、確かに最近は良くも悪くも空気を読んで気を遣い過ぎる選手が多いのかもしれません。

チームの「フレッシュさ」「アグレッシブさ」という面ではこれはマイナスになりかねません。

真面目すぎる若手

また、年長者の意見としてはピッチ外でも「大人しすぎる」ようでした。

お酒の席での振る舞いや私生活でのいわゆる「破天荒さ」のことを指摘されることが多かった印象です。俺らの若い頃は…と色々話を聞いたことがあります。「一緒にドンチャン騒ぎをしてこそ打ち解けられるのだ」と考えている人も、まだまだいるのが現状です。

確かに、これらに対する熱量に関しては若手とベテランの間にギャップがあるのは事実だと感じます。もちろん選手の性格やキャラにもよりますが、全体感としては当てはまる気もしています。

後述しますが、この部分はある意味で仕方がないとも思っています。ピッチ内外でこのような現象が起こっているのはどうしてなのでしょうか。そういう性格の選手が増えたのでしょうか。だとしても、どうしてそういう性格が形成されたのか考える必要があります。

なぜギャップが生まれたのか

ここで一つ僕が考えることとしては「世の中の視線」が影響しているのではないかと考えています。

昔よりも「公人」として、プロスポーツ選手への厳しい視線が向けられるようになったのか、もしくは昔からあったその視線が、メディアやSNSの普及で選手に届きやすくなったのかもしれません。年々長くなるコンプライアンス研修の講習時間がそれを物語っているような気もすします。

ハメを外してチームに迷惑をかければ、より厳しい処分が下ります。もちろん問題を起こすこと自体は良くないですが、その「問題」がかなり大袈裟に捉えられることも増えたように思います。

「酒や女性、金銭などを巡るトラブルと常に隣り合わせなんだぞ」「SNSだって、問題の火種になりかねないぞ」と何度も何度も教育されています。これを若手の時から、刷り込まれます。

当然これらは間違ったことではないですが、「怒られるかも」「世間に叩かれるかも」とビクビクしながら育っているのであれば、とても生きづらい世の中だなとも思うわけです。こういう「環境」で育った選手は大人しくならざるを得ないだろうというのが僕の意見です。

ギャップの埋め方

では、このギャップをどうやって埋めればいいのでしょうか。

一番の理想を言えば、ピッチ上では若手が殻を破って自己主張をし、ピッチ外ではベテランが若手の心境や社会的環境を理解してあげる構図がベストではないかと感じます。

どちらかが一方的に歩み寄る形では必ず不満が出てきてしまうし、上手くいきません。双方がお互いに歩み寄り、理解し合うことでチームが良い方向へ向かうと思います。

頭ごなしに「今の若手は」というのは違うと思いますし、だからといって若手が「考え方が古い」とベテランの意見をを受け入れないのもまた違うでしょう。

両者が一番に考えるべきことは「どうしたらチームがいい方向へ向かうか」に尽きます。そうすれば、自ずと取るべき行動は見えてくると思うのです。

まとめ

僕自身は、今では少しずつこの世界にも慣れて、自己主張や自己表現も出来ているつもりです。

それでもピッチの外では、ある意味「プロスポーツ選手っぽくない」なんの変哲も無い生活を送っています。「破天荒さ」とは無縁です。年長者からしたら面白みに欠けるのでしょう。

それでも若手とベテランが融合したバランスの良いチームを作れるように、自分の役割を意識しながら密にコミュニケーションを取っていこうと思っています。

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