アスリートは、練習をやればやっただけ良いのでしょうか。
指導者側が理想とする練習量と選手側が理想とする練習量には、時々ギャップが生じることもあります。
練習の質や量に関して、練習内容を決める側の意見はよく目にしますが、選手側の主張はそこまで知られることはないような気もします。
「練習のしすぎだ」なんて言えば、怠慢だと思われかねません。
例え、それが自身の過去の経験から、キチンと判断された怪我をしないギリギリのラインであったとしても、それが理解されない場合もあります。なぜなら、選手のコンディションや疲労状況はそれぞれの年齢や能力によって様々だからです。
【考察】適切な練習量とは
そこで、選手の目線から、適切な練習量について考えたいと思います。
当然、医学的な知識などの専門性はないので、あくまで経験に基づく感覚的なものだということを念頭に読んでいただければ幸いです。
コンディションの作り方《2パターン》
結論から言うと、大きく2つのパターンに分かれていると感じています。
- 自分に合わせて調整しながら作っていくタイプ
- ガンガン追い込むことで作られていくタイプ
2つのタイプがチーム内に混在し、その中で1つのグループとして練習をしなければならなりません。そうなると、疲労蓄積や怪我のリスクを考慮して、思うような練習内容を全てやりきることが出来ないことがあるのかもしれません。
後者のような選手は逆に、出力が小さい練習では自身のコンディションが上がらず、試合で力が発揮できなかったり、怪我をしてしまうことも考えられます。
筋力トレーニングの負荷やフィジカルトレーニングの量を選手個人に合わせて変化させるところもあるのはこういった理由でしょう。
練習量の最適化
では、理想の練習量と現実的な肉体疲労のギャップを埋めるために選手に出来ることはあるのでしょうか。重要なのは「コミュニケーション」と「自主性」だと考えています。
コミュニケーション
自分の身体と向き合うという意味合いのコミュニケーションと、それを指導者に伝えるためのコミュニケーションの2つを指しています。
自分なりの考えや成功パターンをしっかりと把握することで、それを伝えた場合にも受け入れてもらいやすくなります。
次に工夫が必要になるのが、指導者への伝え方。
練習を決める側も、入念な準備をしてきてくれているでしょうし、専門的な知識も選手より圧倒的にあるでしょう。ただその中でも、理論と現実は異なることもあり、体の構造は人によって少しずつ違うので、「選手の体感」も重要になります。
それを上手に伝えるために、普段からコミュニケーションを欠かさず、自分を理解してもらう必要があります。与えられたことに全力で取り組むというベースの姿勢をしっかりと見せていれば、本当に自分の意見をぶつけたときも納得してもらえる可能性は高いです。
自主性
二つ目のポイントである自主性については、プラスアルファして自分で必要な練習を加える方の意味合いがあります。
練習強度を全体のキャパシティの平均で設定したとすると、確実に物足りない人が出てきます。そこで選手自身の自主性が必要になります。自分で足りないと思う部分、磨きたい部分を理解して練習前後に自主練をするなどの取り組みが重要です。
自主練の一環として筋トレを取り入れる際のポイントについても、下記記事で解説しています。
結論
結局、適切な練習量は選手によって異なり、自分にしか分からないということです。チームの全体練習はある程度決められている中で、どれだけ自分のコンディションに合わせてチューニング出来るかが肝になります。
疲労の程度に合わせて適切なメンテナンスを行うことも大切です。心と体をリフレッシュする方法を身につけるために、下記記事も参考にしてもらえればと思います。
「やらなすぎ」ても良くないし、「やりすぎ」ても良くありません。絶妙なラインを自分でしっかりと把握し、常に自分のベストパフォーマンスを出せるように努めるべきなのです。
これには経験も非常に重要ですし、すぐに完璧に調整出来ることもないと思います。常に自分とのコミュニケーションを欠かさず、主体性を持って練習に取り組むことを心掛けてみましょう。
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