「ゾーンに入る」という言葉を聞いたことのある人も多いと思います。ただ、実際に体験したことのある人はそう多くはないのかもしれません。
そもそも明確な定義や基準はなく、本人の感覚の問題なので判断が難しいところでもあります。ネットで検索をすると、このように出てきます。
「ゾーン」とは、集中力が極限まで高まって、他の思考や感情、周囲の風景や音などが意識から消えて、感覚が研ぎすまされ、活動に完璧に没頭している特殊な意識状態のこと。
イメージとしては 「無我夢中のその先」というような感じでしょうか。
僕も過去に一度だけ、ゾーンに入っていたのかもしれないと思う瞬間がありました。今日はその時の話をしようと思います。
アスリートの場合、常にその状態なのではないかと思われがちですが、そんなこともないのです。試合などの緊張感のある場に慣れているため、常に研ぎ澄まされた状態ではあるものの、その先の「ゾーン」にはなかなか入らないのかもしれません。
それは、とあるJリーグの試合だったのですが、チームとしても重要な位置付けでしたし、個人的にも燃える理由のある試合でした。
スタジアムの雰囲気も良く、ピッチ内では声援でコーチングが届かないほどでした。気合いが入っていたせいか、試合時間の経過と共に普段にも増してどんどん集中力が高まっていきました。
普段、基本的に試合中は頭で考えてから判断しますが、その時は頭で考えるよりも先に体が動いている感覚がありました。あれほど大きかった歓声もほんとんど聞こえない状態で、目の前の相手との対峙に没頭していました。
試合の映像を見返しても、普段ではしないようなプレーを選択し成功させていたり、圧倒的にそれまでとは違った動きになっていたと自分でも感じました。まさに「本能」で動いていたのでしょう。
当然、その瞬間は自分がゾーンに入っているかどうかなんて考える余裕もなく、後々振り返れば「そうだったのかもな」という感じでした。後にも先にも僕があの感覚を味わったのはその時だけでした。
とても不思議な時間であり、時間の経過も驚くほど早く感じました。またあの感覚を味わいたいのです。どうすればあの状態に入るのか、明確には分かりませんし、全ての要素が重なり合ったのかもしれません。
あの不思議な時間を過ごせることを楽しみに、これからもサッカーを続けていこうと思います。
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